2004年03月30日
イースターとは

キリスト教圏では最もポピュラーな年中行事のひとつであるイースター(復活祭)だが
日本では一般的とは言いがたい。
キリスト教の影響を強く受けているウルティマ オンラインのプレイに際し、イースターが
どのようなものなのか、概略を説明しよう。

イースターはキリスト教最大にして最古の儀式で、キリストがゴルゴタの丘で十字架に架けられたのち復活したことを祝うものだ。

毎年日付けの変わる移動祝祭日であり、

「春分の日の後の、最初の満月の次の日曜日」
と決められている。具体的には3月21日から4月24日に行われる。

イ−スタ−当日は日曜日の1日だけだが、イースター前後の期間にも行事は行われる。
イエスの復活を祝う1日だけの祭と考えてしまうとイースターの本質を見失う事になるだろう。
イースターの前後には長期間にわたる特別の期間が設けられている。
イースター前の40日間とイースター以後の50日間、合わせて90日間だ。
日本では正月と盆に休暇があるが、キリスト教圏では「イースター休暇」と「クリスマス休暇」がある。

41日前 懺悔の火曜日 (パンケーキの日)
中世欧州でレントに入る前に懺悔を行った日。 レントの節食を前にパンケーキを食べた事からイギリスではパンケーキデーと呼ぶ。
40日前 灰の水曜日 (レントの初日)
この日から復活祭までの40日間を四旬節という。 キリストが荒野で40日間の断食をしたということにちなんでいる。
7日前 受難の主日 (枝の主日、シュロの日曜)
復活祭の1週間前の日曜日。キリストのエルサレム入城を記念するもので この際、民衆がイエスを歓迎して葉のついた枝を持ち寄り道を作った故事にちなむ。
6日前 聖月曜日 (宮潔めの日、受難の月曜)
神殿に立ち並ぶ屋台にイエスが激怒した日。
5日前 聖火曜日 (論争の日、受難の火曜)
イエスが神殿にて論争を行った日。 「カエサルのものはカエサルに、神のものは神に」
4日前 聖水曜日 (香油の日、受難の水曜)
マグダラのマリアがイエスの足に高価な香油を注いだ日。
3日前 聖木曜日 (主の晩餐、洗足の木曜)
復活祭の直前の木曜日。キリストの死ぬ前日にあたり、「最後の晩餐」が行われた。
2日前 聖金曜日 (主の受難)
復活祭直前の金曜日。キリストがゴルゴダの丘で処刑された日。 「ゴルゴタ」は骸骨の意で、一説ではアダムの骨が埋まっていたという。
1日前  復活徹夜祭
復活祭前日を徹夜で祝う。カトリックでは復活の蝋燭に点火する光の祭儀に始まり 閉じた聖堂の扉に十字を描くと扉が開いて光にあふれた堂内が輝くという形式で復活祭を迎える。
当日 復活の主日 (イースター)
復活祭当日。これから聖霊降臨の主日までが復活節。 四旬節の間の司祭の服は紫(正教では黒)だが、復活節になると白に変わる。
40日後 主の昇天の主日
キリストが復活後40日して天に昇り神の右側に座したことを祝う。
50日後 聖霊降臨の主日
復活後50日目に聖霊が炎の舌の形で使徒たちに降臨した事を祝う。
57日後 三位一体の主日
聖霊降臨の一週間後。
64日後 キリストの聖体
聖霊降臨の二週間後。
69日後 イエスの御心
聖霊降臨の2週間後の金曜日。

ただし、この際の日数には安息日を除いて考えられる。

イースターという名の由来は北方神話の春の女神「Eostre」と考えられている。8世紀、神父Bedeの説だ。本来はキリスト教と無縁の異教徒の春の祭りであり、キリスト教布教の際に変容し普及したと言われている。寒さ厳しい暗い冬から、草木が芽吹き動物たちが繁殖する春へと移り変わる様が十字架で処刑された後に復活したとされるイエス・キリストのイメージと重なり統合されていったのではないだろうか。

イースターは古くは「Pasch」「Pascha」とも表されユダヤ教の「過越祭(Passover)」の意味と「復活祭(Easter)」の意味のふたつがある。

イースターにはいろいろな風物詩が見られる。

イースターハント
庭に卵を隠して子供に探させる
エッグロール
丘の上から卵を転がす
エッグレース
卵をスプーンにのせ割らないように気をつけつつ競うレース
ペース・エッグ
イギリスの古典演劇
イースター・カード
生命や再生の象徴として生まれたばかりのヒナのイラストが描かいたカードを贈る
ホットクロスバン
レーズンやスパイスを焼き込んで十字の印をつけたパン
家族でゆで卵を食べる 親しい人とタマゴやウサギの形のチョコレートや中にプレゼントを入れたチョコレート卵を交換


投稿者 Siel Dragon : 2004年03月30日 18:36